わたしのるつぼ
70余年の歳月が
わたしのるつぼのなかに
さまざまな、事件や、旅や、人や、景色や、言葉や、よろこびやかなしみ、そして笑い
過ぎ去ってゆく時間の塊が、今でもどんどん投げ込まれている
歳月と言う酵素が、ふつふつとごちゃ混ぜの素材を醸し
底のほうから変なガス含んだ気泡も、
夢の種も、言葉も、思い出も、ぽこりぽこりと浮かんでくる
るつぼの中は今も醗酵し
言葉はいくつかの詩となった
今、観たり、聞いたり、感じたりする現実の経験に
るつぼの調味料を振りかけると、何だか風味を増して
限りなく、いとおしい味になるのだ。
平成25年秋 町田 辰夫
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