コラム:「しゃぼん玉」

 シャボン玉の中にわたしが居る

 子供の絵本のようだ

 その中で考え事をしたり

 夢を見たりしている

 これは楽しい時間だ

 桜のはなびらが、ひとひら、ふたひら

 シャボン玉の上に落ちてくる

 小鳥が1羽、その花びらを突いた

 たちまちシャボン玉は消えて

 わたしは公園のベンチにひとり座っていた

 目の前の木々からは、しきりに桜の花びらが

 降っていた

 

 小鳥が一羽、足元に立っていた

 こんにちは、また今年もお会いしましたね

 ああ、

 だいぶ白髪が増えたようですね

 ええ、1年と言う歳月は重いものです

 そうですか

 去年と同じように、また飛びながら

 落ちてくる花びらを食べて見せてくれませんか

 はい

 小鳥は純白の翼をひろげて

 たちまち、数枚の花びらを口にした

 来年もここに見えますか

 ええ、あなたがまたおいでになるのでしたら

 では、また

 さようなら

 さようなら、アリデベルチ

 しんとしていると、わたしは再びシャボン玉の中にいた

 あたりには、桜が滝のようになって降り注いでいた

 シャボン玉はしずかに上昇した            T.Machida


大宮 今羽町団地 OK会

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