コラム:猫ものがたり・5

 ミ―コの1日は、朝食に始まる。それまでは、目を覚ました状態で、家内が寝ている背中や、足元の布団でつぐんでいる。時々眠ったりもしているようである。午前5時ごろになると、家内を起し始める。低い声で鳴きながら、顔の辺りに近づく。「ミーコちゃん、ご飯ね、ごはんたべる?

 家内が朝食の準備をしている間、自分の方に注意を向けさせようとして、呼び掛けるように啼いて見せたり、足元にすり寄ったりしている。「ごはんつくっているから、待っててね」それでも「ニャー」と言う。

 昼間は、ねずみの人形にじゃれたり、獲物を仮想して?追いかけたり、時には、自分のしっぽにじゃれたりしている。飽きると、窓の外を眺める。これは結構長い時間頻繁に行っている。外で動くものや、鳥の鳴き声に反応している。

 後は、殆ど寝ている。本来、夜行性の動物なのだろうが、自分以外は人間なので、多かれ少なかれ、人間の日常のリズムの影響を受けているようだ。

かっては野良であったが、今は食べることに苦労は無い。水も必ず新しい状態で置かれている。危険は先ず無い。時折、家族がミ―コの近くで物を落としたり、倒したりしなければ、身の危険は保証されている。ドアフォンが鳴って宅配便や、来客を恐れて、「いじけコーナー」に逃げるのは、彼女の思いすごしである。外へは出さない。だから外的に出会うことは無い。

ふと考える。これで猫、ミ―コは幸せなのだろうか、と。

野良であれば、今ごろ何匹か子猫を産んでいるかもしれない。厳しい危険の中で、餌を求め、雄猫には襲われるだろう。また、少しでも心地よいねぐらを探さなければならない。野性は練磨され、日々緊張の時間がつづく。こころ安まり、人の手に愛撫される機会は殆ど無いだろう。

手を差し伸べる人間が、危険でないと言う保証は無い。現に、君の右腕は、誰かの手によって砕かれ、手首は曲がり、固まったままではないか。

また、更に沢山の子猫を産み、時には、自分の産んだ子供に追いかけられることもあるかもしれない。

ミ―コよ、君が今、本当に幸せなのかどうか分からない。何とか私に教えてはくれないだろうか。(とりあえずおわり)


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大宮 今羽町団地 OK会

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